のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

2020年12月、一市井の民が見た、小柴のおじいちゃんについて。

 実はワタクシ、専門が全然違うのに、あのノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊先生に二度ほどお会いしたことがある。いや「お会いしたことがある」はちょっと…いや大分語弊がある。講演者と聴講生だ。

 一度目は、ある秋の寒い日だった。何故覚えているかというと、会場のあまりの寒さに持ってきた赤紫(ド派手)のストールでぐるぐる巻きになって講演を聞いたからです。変なひとじゃないの寒かっただけなの…。

 九州の某大学で理系学生向けの講演会が行われるというのを、出張先で聞いた私と仲間たち(みんな社会人)。

私「それ、聞きに行ってもいいですか?」

K大の先生「いーよいーよ。会場広いし」

 ものすごい寛容だ。というか、セキュリティーとかいいのか先生。世界の小柴先生なんですけども。と焦る私。

 

私「でもアレじゃないですか?いくら広いって言ったって埋まっちゃうんじゃ?」

K大の先生「いや大丈夫じゃないかな」

 

 というわけでお言葉に甘えて仲間たちと共に忍び込んだ。さすがに集団だとバレてしまうかもと思ったのであえて集合はせずにバラバラの時間にやってきてそっと会場入り。

 会場は先生の言う通り、全然埋まっていなかった。K大の学生さんたちは謙虚で、前の方の数列とかほぼ人が座っていない。前の方に座った私、遠くの同じ列に仲間の姿を見る。

 まさかの悪目立ち。顔を見合わせてみんなして苦笑う。

 ただ、我々楽しみすぎてちょっと早く会場入りしすぎたみたいで、直前になったら結構団体で学生さんがいらした。女性少ない。

 

 小柴先生はそれはそれは楽しそうにご自分の専門分野について話をされた。もう最初から最後まですごい熱量と知識と愛で滑らかに話をされた。なんだろう、めちゃ頭いいというのがわかった(頭悪い感想だな)。そしてやたらと楽しそうなのである。

 えーと、カミオカンデというとんでもないものを建設し、陽子崩壊やらニュートリノやら…ええとノーベル賞なんだ。世界の小柴先生だ。すごいぞ!

 でも全然えらそうじゃなかった。今までお会いした著名な研究者の方々はすごい人であればあるほど全然えらそうじゃない。吹けば飛んじゃうような私のような人の超基本質問にも丁寧に応えてくださる。有難い。いや、この時はさすがに質問していないけれども。

 なんだろうか、勉強は楽しいんだよ、素敵なんだよ、この世界は素晴らしいんだよ、というのを全身で伝えられた気がした。なんたるバイタリティーと情熱。素敵!

 とてもカッコイイおじいちゃんだった。

 

 二度目にお会いしたのはそれから1年以上経った後の平成科学基礎財団のイベントであった。これは学生対象、学生優先のイベントだったのだが応募したら当たったので行った。「ゾウの時間ネズミの時間」や「歌う生物学」で有名な本川達雄先生の出前授業だった。もちろん話は生物学。

 場所は佐賀県

 

 行ったら市の会議室みたいなところで、100人入ればいっぱいになるであろうという場所だった。ええー!佐賀県だからー?!

 さらに驚くことに「成人でもそりゃ抽選に当たるわ」というくらい参加人数も少なくてビビる。

 そんな会議室に、本川先生がいらっしゃるより前に杖をついて現れたのが小柴先生だった。そして誰よりも前の席のど中央に座られた。ひゃー。私の、通路はさんで2席おとなりの席である。そして間の2席には誰も座っていない。きゃー!

 

 握手してもらうべき?!と思ったがあまりにもミーハーすぎるし本川先生にも超失礼なのでやめた。チキン。今思えば握手してもらえばよかった。

 

 いくらご自分が設立された平成科学基礎財団のイベントだからといっても、ここは佐賀県なのだ。電車で5分とかいう距離じゃないし、交通の便も悪い。何度も乗り換えをするか車でだって空港から2時間とかいう距離なんである。あのとき佐賀空港はもうあっただろうか。当時すでにかなりのご高齢で杖もついていらっしゃるしお耳も遠いご様子であった、それでもなお本川先生のいろいろ合わせて4時間近い講演を、一度も席を立つことなくほぼ微動だにせず聞いていらした。

 生物学はおそらく専門外であるにかかわらず、だ。ヒトデの話とかだったのだが、どう考えてもヒトデに興味があるわけではなかろう。

 

 あーダメだ素敵ー!(思い出し素敵)

 やはり本川先生には失礼かもしれないが握手してもらうべきだった。

 

 本当に素敵で偉大な研究者だったと思う。年をとってなお精力的に活動された方だということがわかっていただければと思ってこの日記を書いている。 

 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。  

2020年12月末、下半期振り返り

 上半期振り返り、というのをやったので、下半期もやろう、と思いついたはいいものの全然思い出せずスケジュール帳をそっとめくっています。最近昨日のことも思い出せません。ごきげんよう

 

 というわけで7月から12月まで、振り返ってみたい。

1.とりあえず無事。

 多忙で一時期は月120時間超えの残業時間だったのですが繁忙期を過ぎた今月は50時間程度に落ち着きました(落ち着いてない)。そんな職場。何度も言うけども残業代出てないー。

 あとは新型コロナウイルスRNAウイルスであることと、たくさんのヒトが感染したために突然変異がやはり早く、関係各位は頭を抱えただろうなと思いました。ちなみに変異型か従来型(?)かは今やってる抗体検査やPCR検査ではわからない。追加で別の検査をする必要があるので…頭が痛かろうなと…。

 とりあえず市井の民である私は、手洗いうがい換気消毒、あと三密避けることでなんとか医療従事者のお手を煩わせないよう「だるまさんがころんだ」みたいに慎重に行動していきたい。百年前と同じ予防しかできないことが心苦しいけども。

 皆様ご無事で。まだまだご安全にー!!

 

2.人生初、宿泊でドック検診に行く

 いろいろ面白かったのでまた行きたい。すごくちやほやされるのも精神的に良い。

 ずっと病院着を着て病院内をうろちょろするため、お湯のないスーパー銭湯みたいだなと思った(伝わらない)。検査と検査の間にやることをもっと考えておくべきだった、というのが反省といえば反省か。

 

3.人生初!カリブロを食べる

 以下、その時の会話。

「こういう世界遺産ありますよね!なんでしたっけ?……カッパドキア?」

世界に一つの奇観!世界遺産ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群 – skyticket 観光ガイド

アルベロベッロじゃない?」

アルベロベッロのトゥルッリ - イタリア政府観光局(ENIT)公式サイト (visitaly.jp)

「…ボロブドゥールでは…?」

ジャワ島にある壮大なボロブドゥール寺院 - Indonesia Travel

 

 無駄に壮大な話になりましたが、カリブロです。

 今写真を見てみると、ボロブドゥールが一番近い気がしています。

 カリブロです。

 野菜です。

 これです。

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カリブロと茄子と肉。

 味は、カリフラワーとブロッコリーの中間みたいな感じだが、よりブロッコリー寄り。……以上。

 だけど出されたら世界遺産の話をしてしまうくらいにはちょっと珍しくてテンションが上がるなと思いました。

 

4.デパートに行った。

 また後日別日記にしたい…。すっかり満足なのでしばらくおうちに籠る。

 

 そんな下半期。上半期と比較すると大分穏やかですが、仕事は下半期が俄然忙しかった。のんべんだらりとしていたいのに。困る。

 明日からのんべんだらりとおうちの大掃除をします。

 今日見た映画「引っ越し大名」で、お掃除はまず捨てることって言ってたので思い切りたい。本と服を捨てられない自分を捨てるよ…!

 んー

 頑張らない!

2020年12月下旬、発表します。今年のルーキー、優秀新人賞ベスト3!(私だけのチャートで)

お題「#買って良かった2020

さて、今年も様々なことがありました。思えば世界全体で同じことに心を痛め、悩ませられ、翻弄された1年でもありました。約束も飲み会も舞台もライブも遠ざかり、今や全て画面の中。しかしそんな中でも心身ともに私を支えてくれたものたちがありました。特に今年のルーキーのみなさん方。あるものは偶然に、あるものはまさかという場面での大活躍、意外な活躍を見せてくれた方々もいらっしゃいました。

 それでは発表します。今年の「私だけのチャートで」最優秀新人賞、第三位は

 以下に挙げます、私のおやつの時間を支えた方々です!

 

 チェリー豆です!豆と言えばピーナッツもアーモンドも苦手な私なのに、食べられるって何事?!しかも旨い!知ってた!好物!

 

 こんなぱりんぱりんのみかん食べたことないー!

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ミロがなければプロテインを飲めばいいじゃない!まさかの美味!

 

 

 まさかのグループでの受賞は今回初です!スバラシイ!スバラシイ働き!私に仕事のやる気をありがとう!

 

 続きまして第二位です。

キャノンのデジタルカメラです!意外な大活躍を果たし本年度の新人賞獲得です。

今年の2月頃に購入、目的は3月末に行くはずだった奄美の島で、あわよくば職場の季刊誌の表紙に使われそうな写真を撮ろう、という目論見における購入でした。台湾旅行の際「やはり旅にはデジカメが必要だな」と思ったのも大きかった。が。

 新型コロナウイルスの流行により旅行はキャンセルしました(離島というのが大きかった)。カメラ出番なし。せつない。

 せつながっている間もなくリモートでの仕事が始まり、慣れない仕事に四苦八苦、そんな中。デジカメが思わぬ活躍をしました。

 プレゼン動画作成です。めちゃ上手に撮影できた!!

 動画編集のフリーソフトにも大変お世話になりましたのでそちらと合わせての受賞になります!また、百均の発泡スチロールのブロックと、金属の網も大活躍したことを合わせてご報告しておきます。

 

 さあ、そして栄えある第一位。最優秀新人賞は

シロカ ホームベーカリーです!7月に購入。ポイントを使って購入したので実質二千円くらいしか払っていない!ちなみにパンの粉もシロカさんのもの。材料入れてスイッチ入れるだけという簡単さなのに上質パンが焼けてしまう!素敵!

 ママに「太るからダメ」「場所もとるし」と反対されていたが、買ってよかった。

 そして焼き立てパンだけでなく「焼き立てパンを焼いている香り」も提供していただきました。

 台風の前に、周囲の店からすべてのパンが消えたのですが、うちは大丈夫、台風に備えてパン焼いたわーみたいなところもよかった。思いもよらず、災害の備えになりました。そして最近気づきましたが、ホームベーカリーでパン焼いているときに同時にうどんを作ると、なんと、あの懐かしい給食の時間の匂いがします!おおー

 思わぬサプライズをありがとう!思わず唸りました!なんという隠し技。

 

 以上が2020年の優秀新人賞ベスト3でした。今年もいろんなところでいろんなものたちに助けられる1年でした。みんなイイ仕事したよ!めちゃ助かったー!!

 その他、優秀新人賞にノミネートした方々を紹介します。

アイリスオーヤマのマスク

リーズナブルなのにフィット感が良い!

 

音楽CDのみなさん

[rakuten:book:20096928:detail]

 私の通勤時間を素敵に演出してくれてありがとう。

 思い返すと今年は本当にいろんなものに支えられたなあ!えーとみなさん来年もよろしくお願いします!どうぞよしなに!

 

 

 

 

 

 

2020年12月中旬、井筒屋・岩田屋・浜屋・玉屋・鶴屋・山形屋。嗚呼、デパートに行きたい。いや行く。

今週のお題「自分にご褒美」

 

 ・・・思えばご褒美の多い人生を送ってきました。from自分 to自分ですけれども。

 

 仕事がしんどいからと舞台を見に行き、

 月の休みが2日しかなかったからとV6のライブに複数回申し込み、

 ついでとばかりに名所めぐりとか名物食べ歩きとかしちゃったりして、

 仕事の電話がかかってきても悪びれもせず「あっ、今連休中で京都にいます」とか言っちゃって、まあ今思えばやりたい放題、

 昨年末なんて年末に高輪プリンスホテルまで行っちゃって、あの「飛天の間」で「饗宴の儀」のシェフの皆様のご飯を食べてトニセンが歌い舞い踊るのを観た…なんだなんだどこのお姫様だ。そのうえさらに、その後時を置かずして台湾に行ったりしてた。全部自分へのご褒美だった……姫様だった…。

 まあ、今年はどこにも行けませんでしたけども。

 

 そんな姫様、今年は本当に外出差し控えてて、でも仕事はブラック極まっていて(絶賛年末進行中☆)もう辛抱ならんので、今度こっそりデパートに行きます。百貨店。百貨があるのよ。地方住まいの人々が、気軽に、だけどちょっとおめかしして行くところ。

 昨今、「おひとり」で「ちょっとおめかしして」「おすまし」して行くところが本当に少なくて私は悲しい。ほんの少し前に、地方の小さなデパートがたくさん、静かに消えて行った。せつない。デパートは私を救うのに私はデパートを救えなかったし、政府のGo Toも私の好きなデパートを救う施策ではなかった。

 というわけで、ささやかながらこっそり年末にデパートに行く予定です。たのしー

 今から何を買おうかな、何を着て行こうかなと考え中です。ふふー。

 状況が悪くならなくて、ちゃんと行けたらまた日記に書きたい。うふふー。

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お菓子の量り売り。くるくる回ってるー

  なんだろう、このお菓子の量り売りにときめく。私も一緒に回りたい気持ちでいっぱいです!(回るな)

 

 

 

2020年12月、遅ればせながらロマンスしている。

 …少ない現場の一つが年明けすぐにあるから行きたいなあと思っていたら、その日が仕事始めで休めないことに気づいてがっくりしています。ごきげんよう。強く、生きたい。藤田君またね…。

 

 さて、ロマンスである。ロマンスしている。ロマンスってなんだ。

 と思ってネットで調べてみたらあまりにもむつかしいことが書いてあって読むのを挫折し、辞書ひいてみた。辞書便利。辞書やさしい。

 ロマンス・・・恋物語、恋愛譚、恋愛事件。(広辞苑

 

 ですって。なるほど勉強になったなあ。

 宮本浩次である。女性シンガーの曲をあれこれ歌ったCDを購入。ちなみに先日熱く語った「木綿のハンカチーフ」も入っている。そういえば特典でついていた「無観客ライブまるまる1本」を通勤中ずっとかけていて(見てはいない)、仕事への行き帰りが一人ライブハウス状態である。超イイ。無観客ライブの活用法として正解なんではなかろうか。

 脱線した。ロマンスだ。これだ。

 当然のように、年代が絶妙に合わないため、並んでいる曲ほぼ知らない。

1.CDのパッケージ(?)でタイトル見ただけで、曲も歌詞も歌い手さんも「あーわかる」ってなったもの

 First Love(宇多田ヒカルさん)、木綿のハンカチーフ太田裕美さん)、赤いスイートピー松田聖子さん)

 後半の2曲は、前回購入したCD(とその特典DVD)に入っているから知っているというもの。ちなみに知っていると思っていたFirst Love(唯一、世代がマッチ)は、聞いてみたら2番が全くわからなかった。ダメだ。

 

2.CDのパッケージ(←何というんだっけ?)でタイトル見て、サビ部分など「一部」でも思い出せたもの

 異邦人、喝采ちあきなおみさん)、ジョニィへの伝言、恋人がサンタクロース松任谷由実さん) 

 ちなみにタイトル見て歌い手の方が思い出せたものだけ記してみました。

 

3.曲を聴いて「あっ、これかー!」となったもの

 二人でお酒を、化粧(中島みゆきさん)、ロマンス(岩崎宏美さん)、白いパラソル松田聖子さん)

 ちなみに「化粧」と「白いパラソル」はサビ部分しかわからない。中島みゆきさんの歌を何故知っていたかというと、昔受験生だったころにこの方がパーソナリティーを務めていらした番組を毎週聞いていたからであって、もしそれがなかったら知らなかったと思う。

 

 さて、聞いてみた。以下、今回初めて知った、歌詞部分に対する個人的感想です。

 1.あなた(1973年 小坂明子さん)

 …すごい…怖い…!!ナニコレ超怖い歌詞なんですけど!!当時のヒット曲だよね多分。当時怖くなかったんだろうかこれ…!えっ、怖くないの?!どうなのそこんとこ!

 と思いました。

 失恋ソングだということに歌の前半は気づかず、最後の2行でえぐるようなボディーブロー。油断した。それを踏まえて前半の歌詞を振り返ると、

 1番の、大きな窓と小さなドアというのはあれだ、「閉じ込めたい」的なことだと思うし、

 1,2番の、子犬とぼうやが同列だし(なんだろう、あくまでも「あなた」のオマケなんだよなって思う)、

 3番では「私」はレースを編んじゃうのだ。なんだ、当時レース編み流行ってたのだろうか。そういえば叔母の趣味だな。常々思っていることだが、編みものというのは集中力と忍耐力を鍛えるためのトレーニングにしか見えない。忍者とか、物騒な話だが暗殺者の修行に最適かと。特にレース編みというのは、糸が細いから編むのに物凄い根気と忍耐が必要とされる。

 …おお…そんな家はいやだ。

 

2.異邦人(1979年 久保田早紀さん)

 前奏がものすごく特徴的なことを覚えていたが、今回のこのCDにそれがないのでちょっと身構えずに聞ける。

 なんと、これは異国は不思議ねー的な歌ではなく失恋ソングだった。知らなかった。

 えーっと、どんなシチュエーション…?

 壮大な風呂敷なんだけど、その風呂敷を広げて、いざ荷物入れてまとめ…まとめて結んだけどちょうちょ結びにちょっとだけ足りなくて結べない…みたいな…(伝わらない)

 これは雰囲気。雰囲気を楽しむ歌。イホウジンなワタシ。頭から被ったスカーフがたなびく感じ。

 

3.二人でお酒を (1974年 山上路夫さん作詞 梓みちよさん)

 これはメロディーラインを追える歌でした。なぜ知っているんだ私。わからない。

 この歌詞に描かれているのは、ばかみたいに優しい女性である。男性が書いた歌詞だからかな。

「うらみっこなしで」「さらりと水に流して」とか言ってる、言ってるけども、そもそも恋愛関係でさらりと水に流せる話なんてないのだ。負の出来事ならば負のできごとである分流せないものである。時間が立つと深く沈み込んで見えなくなるものなんだけど、ふとしたきっかけで攪拌されて浮上してきちゃって思い出し怒り、とか「世のあるある」だと思うがどうか。それをこうやって言えて、まあ私は大丈夫だって言って、何かあったら酒でも飲もうや、なんて

 めちゃイイ女の振り方だと思う。そしてこれ、絶対復縁迫れないやつ。

 はっ、ということはもしかすると、円満別離を狙った女性の歌かもしれないとはたと気が付いた。

 プロ…!(ぜったいちがう)

 

4.化粧 (1978年 中島みゆきさん)

 いやもうこの曲の歌唱は難易度が高すぎて震える。こんな難易度高い曲をさも簡単そうに歌いこなすばかりか感情やら情景やらを何もかも織り込む凄さたるや驚愕に値する。中島みゆき天才(今更)。宮本浩次天才。

 歌詞の、一生懸命でみじめでいじらしい感じも天才的である。マンガでいうなら星野めみさんの描く主人公の女性(男性)である。ドンピシャだと思うがどうか。
 また、この曲を聴いたときの感想を求められた宮本さんが「この女性が愛しくなっちゃって、つきつめると中島みゆきさんのことが好きだと思った(超意訳)」みたいなことを言っていてキュンとした。

 私は、この歌詞に出てくる女性のことを「怖い」と思う男性が結構いると思っていて(手紙を束で書いてるしな)、でもそうではなく「いじらしい、素敵だ」と感じているその共感力というか許容する力というか、そういうものにキュンとした。これはモテる。

 それにしても中島みゆきさんは歌詞がうまいなあ…。

 

5.ロマンス(1975年 阿久悠さん作詞、岩崎宏美さん)

 片思いの歌だと思って聞いていたら後半でわからなくなってくる。前半と後半の間に時間の経過があるのか、片思い少女の妄想が途中で入っているのか。前者だと最後の最後で失恋ソングになるし、後者だとちょっと告白されたくない…。

 ただ全体に渡ってなんだか色っぽいのは確かで、当時の岩崎宏美さんは間違いなく美少女だっただろうから、ビジュアルと相まってものすごいパンチのある曲だったことは想像に難くない。

 現代でこういう曲を十代の女の子に歌わせたら間違いなくセクハラって言われそうだ。

 

6.赤いスイートピー(1982年 松本隆さん作詞 松田聖子さん)

 子供っぽいいじらしさと恋愛の熱情がちぐはぐな感じがまさしく「少女」という感じで、当時の松田聖子ファンにはたまらなかったのではなかろうか。こちらは前の「ロマンス」と違い、歌手のビジュアルと歌詞が抜群に合っていると思う。イメージ戦略大成功。そりゃコンサート会場でファンがスイートピーを振るよ!私も振りたい!

 ところで大体の人がスイートピーを「スイトピー」って発音するのはこの曲のせいですか?(素朴な疑問)

 

7.木綿のハンカチーフ(年 松本隆さん作詞 太田由美さん)

 これは以前熱く語ったので割愛。もう間違いなく男性の作詞家だろうなと思ったけれどもやっぱり!みたいな。

simuramiori.hatenablog.com

 

8.喝采(1972年 吉田旺さん作詞 ちあきなおみさん)

 昭和の名曲、と言われたらこの曲が必ず入っているイメージ。

 恋の歌を誰よりも上手く歌う「私」の、恋と恋人に対する悔恨と孤独と「虚」の歌。

 虚無とも虚脱とも言い難い。1の「あなた」もそうだが、歌詞の文字数がべらぼうに少なくてその中でこれだけの感情を歌われたらそりゃ名曲だわ、となる。

 何だろうか、私の夢のために犠牲にしてしまった、というような、胸に杭を打たれる感じというかな…そんななのにタイトルが「喝采」なんだよな…なんだろう業の深さが垣間見える名曲。

 あと宮本さんの歌いだしが、ちあきなおみさんとそっくりで毎回驚く。

 

9.ジョニィへの伝言(1973年 阿久悠さん作詞 ペドロ&カプリシャス

 今調べてわかったけれども、もともとは高橋真梨子さんが歌っていたんだなあ…!合う!

 ジョニィが悪いやつ。たまにいる、大体都合が悪くなると逃げるやつな!わたしなら逃がさん…あやまれ…(最悪だ)

 主人公の女性はこの逃げちゃった彼氏に未練がものすごーくあるんだけども、まあだからこその長い伝言なんだけど「あなたのことはもう過去のことよ」って感じを装いたいのがいじらしいね!元来恋愛さえ絡まなければ、ちょっと強気な女性なんだね!

 伝言頼まれた友達(多分この喫茶店だかスナックだかのマスター)が大変である。

 以前見た「雪まろげ」っていう舞台(高畑淳子さん主演)を思い出した。

 あれは芸者さんだったけど…相手超いいやつだったけど…

 

10.白いパラソル(1981年 松本隆さん作詞 松田聖子さん)

 全然歌を知らなくてむしろ驚いた。ディンギーってなんだ(調べたらヨットだった。勉強になるぅ)。赤いスイートピーもそうだけども「松田聖子」ありきで書かれた曲と歌詞、という感じだ。ミューズか。あっ、ミューズだった!(過去コンサートに行ったときのことを思い出した)

 女の子の恋情に男性側が全然気づいていない、という感じな!気づいて!

 やはり松田聖子さんはすごいな、という歌だ。

 

11.恋人がサンタクロース(1980年 松任谷由実さん)

 おしゃれな歌だなあ。なんだろうか、1980年代になると多分何かが変わったんだな。バブルとかかな?歌が明るい。よく聞く歌だと思うのだけれど、歌詞を今回初めてじっくり見た。隣のおうちのお姉さんが浮足立ってる様子も、大人になった主人公の女の子がやっぱり同じように浮足立ってる感じも楽しそうで良い。

 

12.First Love(1999年 宇多田ヒカルさん)

 心震える歌声だった。大変だ、歌がうまい。

 ずっとずっと覚えているよ、という歌。でもきっと彼女はそれを口にはしないのだろう。これも言葉がすごく少ない。少なすぎてスカスカするくらいなんだけど、かなり最近に近い曲なので、多様性のこの時代とマッチさせるためにはまあこれはこれでこうなのかな、と思う(伝われ)。

 

 というわけですごい文字数になってしまった。ロマンス堪能中である。いずれ今のこの騒動が終わった暁にはこの「昭和の曲」を歌える私になっているはずなので、そのときにはカラオケで披露する所存だ。待ってろカラオケ。とりあえず「あなた」からかな!(チョイスよ…)

 

 

 

 

 

 

おかげさまです2020年11月。

今週のお題「感謝したいこと」

 …複雑な気持ちです。なぜかというと「感謝したい」よりも「感謝されたい」。本気(まじ)で。んーと2倍くらい。欲のかたまり。心が狭い。

 

 いや感謝したくない、といっているわけではないのです。感謝するのであればそりゃもう両親だと思うんですが、なんだろうか、こう…私にボーナスが出たことを毎回毎回いち早く嗅ぎ取り、速攻でその一部(というかまあまあな割合)をせしめ(老い先短いから今のうちに旅行に行きたい旨いものを食べたいとか言う毎年言う)

「おーい、あいつメチャ気前いいな!こんなにくれたぞ!旅行しよう!いやっほー!」

 とかいう声が隣室から聞こえてくると(しかも本当に旅行に行く)、なんだろう私にも感謝してほしいという気持ちというか何だか素直におとうさんおかあさんありがとうという気持ちにはなれないというか、うーん複雑だ。

 と伝えると

「めっちゃ感謝してるーすきー!お土産買ってくるねー!じゃっ、行ってきまーす!」と旅立たれたのが昨年だ。軽い。ノリが軽い。好きと言ったらなんでも許されると思うな…そして土産に変なキーホルダーとかいらないから…待って聞いてから旅立って…!という……感謝するから感謝してという気持ちがね…。

 この冬もすでに準備は万端で、あれが欲しいこれが食べたいと言うている。強欲。コロナでボーナスがちゃんと出るかわからないんだからね、って言ってるけれども聞いちゃいねえや。

 そんな我が家の ボーナス前 サンクスギビング週です。

 

2020年11月、駆け込み読書の秋。

読書の秋でした。というわけでこの秋に読んだ本を(仕事用以外)メモしてみます。

 

1.NHKがドラマ化しそう!久々に泣いた小説

ライオンのおやつ 小川糸

食堂かたつむり」「ツバキ文具店」「つるかめ助産院」 の人の本。

何だかぼやんとした話を書く人だなあと思っていたのだけど、この「ライオンのおやつ」が一番刺さった。NHKがドラマにしそう。

 海の見えるホスピスに入院した主人公(女性)のお話。本には書かれていないけれど、この主人公がこの場所にたどり着くまでに一人で乗り越えた数々を想ってついうっかり泣いてしまった。しまった。

 私だけのランキング「泣いてしまった小説」にランクインしてしまった。ちなみに他のランクインは、

 東京タワー(リリーフランキー著)と、あん(ドリアン助川著)です。

 

2.ほのぼの路線が読みたい人に。

いちねんかん 畠中恵

 疲れているときには悲劇とかホラーとか冒険活劇とかはちょっと無理なのでこういうのを読む。いい。滋味深い。

 もはや惰性で読んでる「しゃばけ」シリーズ。読むたびに思っているのだが、このお話が全部「病弱で寝たきりの若旦那」が、何だか冷たい女中さんだけが世話だけをしにやってくる「離れ」で「こうだったらいいな」と寝床で考えているお話とかだったらもうめちゃくちゃ悲しくないか、と思って、勝手に一人でせつない(←思い込みが激しい)。

 

3.新シリーズですってよ!

 きたきた捕物帖 宮部みゆき

 中編集。私的にハズレのない作家さん(重たいものはアレだけど)。シリーズになるみたいで今からまだまだいろいろありそう。

 江戸中期、ぶんこや北一くんの捕り物帖スタートです。軽めの時代物がお好きな方にお勧めです。

 

4.手塚治虫の賞とったやつ

 ニュクスの角灯 高浜寛

 今まだ途中なんだけども。マンガです。すごい興味のある時代背景なので読み始めました。出てくる小物がカワイイ。主人公が二人?なので(しかも別々の場所にいる)、ちょっとお話が分散されてる感じがしているのですが、これちゃんとハッピーエンドだといいなあと…思います。まだ途中。ゆっくり読む。

 

 今から読むやつ

・流浪の月 凪良ゆう ・・・本屋大賞。既読の人に面白いか聞いたら微妙な反応をされました。なんかロリコンの男の人(元誘拐犯)の話らしい…これだけ聞いて読むのやめたりしないでねと言われたので12月あたりから読む。

 以前この著者の「神様のビオトープ」というのを読んでいるのだけども内容をサッパリ覚えていなくて(うろ頭)、今アマゾンで検索しあらすじを読んでぼんやり思い出し…これも途中でロリコンの男の人が出てきてなかったか…?と思っています。手に取るまでがなかなか…ちょっと取っ掛かりをがんばる。

 

・この本を盗む者は 深緑野分 ・・・こちらはすごい読書家のひとに手放しでオススメされた。以前この著者の「ベルリンは晴れているか」を読んでいるのだけれども、これはアレだな…読む人を選ぶ。読み応えはあったけどもあまり読後感はよくない。好きかと聞かれると好きじゃない。そしたら「あれとはまた全然違うよ!」と言われ強く背中をおされました。読みます。

 

 というわけで、遅ればせながら私の「読書の秋」でしたー。