のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

予防や医療とは関係のない、ウイルスの話をしようと思う(だいぶ雑) 3

3.アルコールとエタノールと次亜塩素酸水のちがいってなに?

 第3回目です。実は自分でタイトルを作っておきながら、今回だけはあまり詳しくない事柄なので、いつも以上に雑な内容になるかと思います。途中わからないことは私じゃよくわかんない、って書いてます(あ)。それでもよければよろしくお付き合いください。

 また、前回が意外と好評だったので気を良くしました。気を良くしたので、最後の⑦(一般的なウイルスの広がり方)のオマケとして特別バージョン、

⑦‘ 特別編 動物の細胞だとこうだヨ☆

 を前回の記事に追加しました。ご査収ください。では今回も始めましょう。3つの消毒液「アルコール」「エタノール」「次亜塩素酸水」のちがいについてです。

(1)「消毒用」アルコールとエタノールはおなじもの

 まず結論から言うと、普通に売っている消毒用アルコールと消毒用エタノールは同じものです。消毒用、というのは何かというと、菌類・細菌類・ウイルスをやっつけるのに最も効果的な濃度に調整されているものだ、ということです。親切。
 ちなみに普通手に入りませんが工業用アルコールというのもあります。これは前述した2つとは違う、メタノールメチルアルコール)というものです。消毒用としても飲用としても利用しないでください。大変な目に合います。
 同じものならなんで呼び方を統一しないの?とリアル友人に質問されたのでここでも解答するならば、化学や科学を専門にお仕事をしている人たち、この消毒液をつくっている人たちなどにとってアルコール、というとエタノールメタノール両方、加えてその他のアルコール類を含めたものという認識なのだと思います。同じ分類、けれどそれぞれは似て非なるもの。そのため、そういう人たちが「アルコール」って聞くと

あのボトルに書いてある消毒用「アルコール」は違くない?あれはエタノールでしょ?みたいになっちゃう…のかなと。
 例えると、「誰のファンなの?」と聞かれているのに「ジャニーズ」と答えるのは何か違う、と私が思っているのと同じです。(たとえがわかりにくい)(そして私はもりたごうがすきだ)(話がそれている)

ただ、一般的にはエタノールよりもアルコールの方がよく理解されているのです。というわけで「市販するんならわかりやすいほうがいいじゃないか」ということでアルコール、という表記のものもあります。
 ちなみに私はどっちの呼び名でもいいと思っています。だって中身は同じ(雑)。
 というわけで、注意としては薄めたりしないことです。薄めると効果が激減します。あと消毒用は高濃度ですので飲んだりしないでください。これでうがいとかしないでください。危険です。あと良く燃えますので火の近くに置いたり、近くで使ったりしないでください。危険です(大事なことなので2回言う)。もう一つ言うと、アルコールなので、すぐ気化します(つまりすぐ気体にかわる)。気化するときに、周囲の水分も一緒に気化させてしまいます。ということは消毒するたびに必要な水分がどんどん奪われていきますので保湿してください。消毒→保湿 の順番ね。クリームぬる。「キレイ」をつくるのは「あきらめないこころ」だと私のメイクの先生が言っていた(名言)。

 

(2)消毒用アルコール(エタノール)はどうやってウイルスをやっつけているか

簡単に言うと、エンベロープ(2枚の膜の外側のほう)を壊します。
 ウイルスはこの状態

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初めて、細胞の中に入って増殖できます。ある一定以上増殖されちゃった生物には、何かしらの異常が生じます。つまり、ウイルスの外身(カプセル)と中身(情報物質)、そのどちらが失われても感染は不可能になり、ウイルスとしての能力は失われてしまうということです。というわけで、消毒用アルコールは時間も取られないし取り扱いもカンタンだし効果ありです。万能?イエイエ。
 消毒用アルコール(エタノール)は、エンベロープを壊します。つまりこれ

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には効果的ですがこれ

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には効果がありません。
 コロナウイルス、インフルエンザウイルスはエンベロープを持っています(つまり消毒用アルコールは効果がある)。
 対して、感染性胃腸炎の原因となるノロウイルスロタウイルスエンベロープを持ちません(つまり消毒用アルコールは効果なし)。

(3)次亜塩素酸水とは何か

 えーと、塩酸(HCl)または食塩水(NaCl)を電気分解して作った、HOCl の水溶液で、消毒用にpH(酸性とかアルカリ性とか。水溶液の性質)が弱酸性に調整してあるにくいやつ。


 これを知った私の感想。

 この物質、めちゃ不安定じゃないのかな!ボトルとかで置いておくと殺菌力なくなりそう!です(←役に立たない情報)。

 次亜塩素酸水に含まれているCl(塩素。ほんとはイオンの状態)の酸化力でウイルスの外身も中身も壊せます。そしてスピード消毒スピード気化。pHが弱酸性なので、皮膚にもやさしい(私たちの皮膚も弱酸性)。弱きを助け、バリバリ仕事して、終えたら素早く去っていく感じがカッコイイ。

 次亜塩素酸水、よくわかってなくてごめんなさい。

 

(4)私も間違えていたけれども次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は違うもの

 そう、次亜塩素酸ナトリウム(ご家庭にある漂白剤。ハ〇ター。)と、この次亜塩素酸水は違います。
 広い意味では「次亜塩素酸ナトリウム水溶液(つまりはハイ〇ー)」も「次亜塩素酸水」って言っちゃうので、紛らわしいことこのうえない。私も超勘違いしてた。市販されてる次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム(ハ〇ター)は違うもの!
 次亜塩素酸ナトリウムは皮膚が荒れるから体には使えないけど、市販の次亜塩素酸水(消毒用)は皮膚に使える! 以上報告です!

ただ、漂白剤の成分でもある、この次亜塩素酸ナトリウムにも消毒作用があります。水に溶けた状態でウイルスの中身も外身も壊します。つまりウイルス全般に効果あり。
 ただ、ハイ〇ー原液は消毒目的のためには濃度が高すぎるため、用法容量を守って薄めてください。ちなみに「1Lの水に8mL原液」のようです。ちなみに薄めて使っても「漂白剤」は漂白剤なので、色抜けや金属がさびさびになったりプラスチックは劣化しちゃう可能性が高い。ので使い勝手はちょっと…。使った後は水拭き、手洗いをしてね。
 漂白剤は普通にご家庭にあるし、安価だし。消毒液が手に入りにくい昨今、お助け消毒液な気がします。ちょっと塩素臭がするけどドンマイ。

(5)意外とあるある

紹介したいずれの消毒液も「付着しているところ」に噴霧、もしくは拭くことでウイルスを壊します。逆はないです。
 消毒液を噴霧または拭いたところにくっついたウイルスが壊れる、なんてことは限りなく「ない」ことです。だってこの消毒液たち、もれなく「気化」してどっかいっちゃうので。気持ちはわかるけどね!

 

詳しくないのに長々と失礼しました。

ちなみに私は消毒用アルコールを使っています。理由は効果的かつ楽だから。

あと、塩素に弱いので次亜塩素酸水を使うのはちょっとためらう。というかそもそも買おうにも今手に入らない。でも流水だけの手洗いでもかなり有効なんだよ。ごしごししてね。

 

 ではまた次回!

 

追記。この記事を書いた後(現在R2.5.10)、次亜水を使う機会があった。正確に言うと、次亜水とは知らず、ある店の入り口にあった「消毒用」と書かれたスプレーを手に噴霧したのだけれど、正直に言うと、

 これ、本当に中身消毒液かな?

 と思った。いい意味でも悪い意味でも、使用感がない。ということは、こうやって店頭に置いてある場合、中身が次亜水なのかただの水なのかもしくは別の何かなのかはわからない。

 結論。私見だけど、現段階ではやっぱり消毒するなら使用感とにおいである程度「消毒できてる」と感じられるアルコールがいいや。前から使ってるしね。