のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。某病理の元研究員なので科学系の話も少しだけ。

予防や医療とは関係のない、ウイルスの話をしようと思う(だいぶ雑) 2

2.「新型」コロナウイルスだと何が怖いの?

(1)そもそもウイルスが怖い理由

 ウイルスは「タンパク質のカプセル」と「情報物質」の2つのみでできたものです。ただ、あえて言うならもう1つ持っているものがあります。それは「目的」です。ウイルスは「目的」を持ちます。目的はズバリ「増えたい」。これにつきます。
 しかし、前回書きましたが、ウイルスはそもそも自分で増えることができません。ではどうやって増えるか、というと、新しいウイルスを作るための材料やエネルギーを生物(細胞)から奪って増えます。いわゆる「感染」です。

 ウイルスは小さいし、成分が生物と似ているので、生物の体内やら細胞やらに入り込んでも意外とバレません。

というわけで、よくあるウイルス感染の様子を擬人化した7枚の超大作イメージ図を作成しました。
 これです。見て。

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力作です。・・・みなさん大人の嗜みです。何も言ってはなりません。耐えてください。悪口は私の見てないところでよろしく…!ちなみに縮尺まるっと無視してます。ウイルスは細胞と比べるともっともっと小さい!

で、何が言いたいかというと、ウイルスは「増える」という目的のたためにどんどん目的の細胞内に入ってどんどん増えてどんどん細胞を破壊していきます(ウイルスによっては破壊しなくても症状が出るものもあります)

そこそこ壊れるとようやく体も異変に気付き、何らかの症状が出ます。「感染」したことで異常が感じられる、それが「発症」です。

 ちなみにウイルスによって「好きな細胞の種類」があります。

 余談ですが、インフルエンザウイルスに効果的な「タミフル」などのお薬(抗ウイルス薬といいます)は、⑦の「細胞の外に出る」ことを阻害します。ナイスセンス…。

 

(2)「新型」コロナウイルスの怖い理由

 コロナウイルスエンベロープあり+RNA というウイルスです。つまり

これ

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が入っているこれ

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です。

「新型」なのでどんなにえらい研究者でも、どんなウイルスなのか知りません。

 どんな人が重症化しやすいとか、感染者の何人くらいが亡くなるかとか、どんな風に体内に入ってうつっていくかとか、どんな薬ならこのウイルスをやっつけられるか、とか、そういう戦う上で最も重要な「敵の情報」が全部わかりません。わからないのでこのウイルスをやっつける薬はまだありません。

 ですので今、世界中の研究所や病院では、今ある、『他のウイルスをやっつける薬』の中にこの新型コロナウイルスをやっつける力のある薬があるのではないか、と探しているところです。
 どうやらアビガンという別のウイルスのために作られた薬が効果的だったようですので大変ありがたいことです(アビガンは上図の④を止める作用があります)。効果のある薬が見つかったことで、この薬を改良し、今度はもっと「新型コロナウイルス」に効果のある薬を作ることも、もしかしたらできるからです。それは新薬を1から開発するよりもはるかに時間短縮につながります。
 なお、新しい薬を1から開発する、ということも進められてはいますが、実現したとしても病院で使われるようになるまでに最短でも10年はかかると思われますので今は考えないことにします。知りたい人は別サイトで調べてね。

 

 では、今感染している人はどんな治療を受けているかを推測すると、

高熱、咳、呼吸困難、肺炎という症状がみられることが分かっていますので

 熱を下げる薬、咳をやわらげる薬、肺の炎症をやわらげる薬、呼吸を助ける装置などが使われていると思われます。つまり「苦しい」「きつい」という症状を和らげる治療です。根本のウイルスをやっつける薬がまだありませんのであとは本人の治癒力と体力でウイルスをやっつけてもらうしかありません。そうなると、睡眠と食事はものすごく大事。あと予防ね、手洗いうがい換気。三密ダメ。

 ただ、新型ですが、わかっていることもあります。

・ヒトからヒトへ感染する

→ ということは、予防面で何を注意するとよいのかが明確です。

・多分飛沫感染(空気感染もあるかもと言われています)

→ 上に同じ。

・以前ちょっと流行したSARSウイルスとすごく似ている

→ これは研究者や医師にとっては重要情報です。特徴が似た何かがあると、比較ができたり、SARSの研究者と情報をやりとりしたりなど、研究しやすくなるからです。なんにせよ研究人口が増えるのは問題解決につながりやすくなるので良いです。例えるならば犯人の特徴がわかると犯人を捜しやすくなります。犯人が属する組織がわかると、その組織の一人一人を追っていた人たちと協力することができて犯人検挙につながりやすくなる、みたいな感じでしょうか。加えて研究費が多いといいと思います。

RNAウイルスなのでちょっとしたことですぐ性質が変わる

→ 性質が私たちにとって「良い」方向に変わるか「悪い」方向に変わるかはわかりません。実はそこもまた「怖い」と思われているところです。

 

というわけで、2回目も見ていただいてありがとうございました。3はまた後日。

 

 

 追伸。

 調子にのったので、上記⑦の別バージョン、「動物の細胞だったらこうなるよ」も上げておきます。ご査収ください。

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