今回は2冊です。
今年の22冊目は「いつものやつ」。
青瓜不動 宮部みゆき 著
三島屋変調百物語シリーズです。短編4作収録。今回はテーマになっているものが「人形」のようでした。
|
第一話 青瓜不動 表題作です。救われないところに救いの手をのばした女性を救う「ひとがた」のお話。しみじみ。朝ドラの名作「おしん」をおもいだした。知らない間に誰かの善意が誰かを救っている。
第二話 だんだん人形 せつない…。もはやどうしようもない過去なんだけど悲しい話…。救ってくれる「ひとがた」がかわいいかっこいい。
第三話 自在の筆 怖い。これだけが「ひとがた」が出てこない。かなり短い話なので閑話休題的な感じか。いや、筆を持ってきたのが「ひとがた」なのか…こわい
第四話 針雨の里 最後のお話。最後を飾るにふさわしい。せつない。誰かの「思い」が誰かを救う話である。最後まで救ってくれるのがせつない。
当たり前のことかもしれないけれど、面白い話は覚えているものだなあ。
そして23冊目
アーモンド ソン・ウォンピョン 著
|
韓国の「本屋大賞」みたいな賞をとった小説のようです。人に勧められて読んだ。
生まれつき脳の「扁桃体」が委縮しており、恐怖をはじめとする「感情」を理解できない男の子が主人公の物語である。
面白かった。
最後まで読んで「一本の映画のような話だったなあ」と思ってしみじみしていたら、著者の方が映画関係の方だった。ああやはり、という感じでした。
一つ一つのエピソードがきちんと分断されていて、良いこともあり悪いこともあり、で、最後に一つどかんと大きな出来事があって、エンディングに向かう感じがまさに映画、という感じ…。
というわけで「韓国映画になりそうだなあ」と思った次第です。訳もイイカンジなので翻訳本として、とても読みやすかったです。
次は何を読もうかなー