のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

2020年10月、ひとつひとつろうそくを吹き消すようにドラマを見ていた。

 相変わらず仕事がブラックで、1日かるーく12時間以上働いてるけど残業代が出ません。仕事も終わりません…おぅ…。

 くちゃくちゃのよぼよぼになって帰宅してお風呂に入ってご飯食べて寝る、みたいな生活ですが、夜22時以降のテレビには間に合う。

 ところが今は繁忙期、ドラマの開始時刻に帰宅が間に合わなかった。

「おカネの切れ目が恋のはじまり」の最終回(第4話)。

 15分遅れくらいで見た。見逃してしまった部分は、あとで見逃し配信TVerで補完した。

 前回の終わりのシーンで、気持ちが混乱しちゃったせいか、朝早くに家を出てしまって帰ってこない猿渡さん(三浦春馬さん)と、それを「いないとさみしい」って、主人公だけでなく出演者の誰もが彼を待っている最終回だった。この最終回で、主人公の玲子さん(松岡茉優さん)とずっと旅を共にする、言葉の話せない黄色のラボット「さるひこさん」が、猿渡さんご本人にみえるところが何度もあってただひたすらせつなかった。

 大幅に作り替えられて、これからの展開をダイジェストで詰め込みました、という感じだったけれど、ちゃんと今後が明るい方向へ進んでいきそうな感じで終わったのが良かったなと思った。一視聴者としては、本当はこの物語がゆっくりとハッピーエンドに進んでいくのを見たかったし、作り手の方々だってきっとそうだったろう。

 

 身近な人が命を絶つと、身近であった人であればあるほど「何かできることがあったのではないか」と自問自答するし、追い詰められて、追い込まれて、もう「それ」しか見えなくなってしまった苦しみを想って心を痛める。

作り手の人たちの「みんなでドラマを完結させよう」という想いと「愛しさとさみしさでやりきれない思い」が最終回に全部出ていた気がして、それはこのドラマが1~3話までとても面白かったことも相まってただせつない。

 そんな最終回は、とても丁寧で、上品な一時間だった。

 

 私は三浦春馬さんのファンではないけれど「おんな城主直虎」は見ていたし(ちゃっかりおいしいところ持っていく役だなあと思っていた)、「キンキーブーツ」は見たいなあと思っていたし、「世界は欲しいモノにあふれてる」は夜遅くの番組しかリアタイできない私にとっては数少ないお気に入りの番組だった。あのしずかな感じがすきだったのだった。わかっていなかったのだけれど、思いがけず、私の日常に浸透していたひとだった。

 出演番組を見るたび、ひとつひとつ、ろうそくが消えていくようだ。

 ファンでない私でもそうなので、ファンの方の心中やいかばかりか。

 想うと、ただせつない。

 最後に。

 吹き消されても世界は闇ではなくて、夜空に星が降るように、あの時見た光はずっと残って瞬くんじゃないかな。きっとそうだな。 

 

「とても長旅だったから、疲れましたねえ…」

 みんなで、抱きしめて、

 よしよししてあげたい。

 ドラマの中でそれをやってもらえて、よかった。