のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

博多座観劇。昨日面白かったものは今日も面白い2023年5月下旬。

博多座土日、本日大千穐楽坂本昌行さん主演ミュージカル「The Music Man」を観てきました。

 土曜日昼公演をファンクラブ枠でゲット、翌日曜日は博多座会の会員のお姉さまに誘っていただき、観てきました。

 坂本さん主演のミュージカル観劇が久々すぎて有頂天。

 お誘いいただいた時、ねえさんに「2回行くの?いいの?」ってLINEで聞かれたのに対し、

「今誘われて、一人で『まつりだー』ってなってますけども?」と返し、

「S席にする?A席?」って聞かれたんですが、

「大丈夫です、どこから見ても坂本昌行さんはかっこいいので!」と返していた。

 

 今見返すと、なにも大丈夫ではない。

 

 ただ、ねえさんは優しいのでそれ以上何も聞かずにそっとS席をとってくださった。ありがたいありがたい。

 

 さて、あらすじです。

 舞台は1900年代前半のアメリカ。

 列車に乗って地方を巡るセールスマンたち。しかし自動車等の台頭と共に彼らの仕事も危うくなってきている、そんな時代。

 セールスマン、ハロルド(坂本昌行さん)は、実際はマーチングバンドの指揮者と嘘をついて、ボーイズバンドを作り、自分が指導すると嘘をついて大量に楽器やユニフォームを売ろうとする詐欺師。訪れた田舎町リバーシティーで上手く仕事をするため、町の図書館司書でピアノ教師のマリアン(花乃まりあさん)を陥落しようとするが…

 身元調査を指示する町長(六角精児さん)、

 おしゃべりで陽気な町長の妻(森公美子さん)、

 ハロルドの元詐欺師仲間で現リバーシティーの住民(小田井涼平さん)

 ……様々なリバーシティーの人々を巻き込んでの大騒動。みたいなお話。

 

 いやもう、なんだろうか、坂本昌行さんは何故あんなうさんくさいペテン師みたいなジェントルマン役が似合うのか。プレイボーイみたいな。でも本当はシャイでピュアなんだよ的な役がすげえ似合うよ…どんなうさんくさい台詞言ったってまあハマるハマる。

 マリアンの手の甲に不意打ちでキスしたり、

「また明日また明日って言ってるけれど、それって何もしなかった昨日が積み重なっていくだけだよ、僕は今を君と楽しく過ごしたい」的な台詞を言って全然OKな人ってあんまりいない気がしますよ私の周囲は全員オペラグラスでガン見だよ!

 おいおいおいおい嘘だろハロルドかっこよすぎだよおい!ってなった。なんだこりゃ!

 あとマリアンとのダンスも良い。なんと軽やかな。あのダンスもこのダンスも、ホールドがジェントルすぎて目が釘付け。完敗です。いやもういつだって負けてますけども。

 

 そして前にも言った気がするけれども、衣装のベストが似合うな!!好きです!

 

 マリアン(花乃まりあさん)も素敵だった。声がめちゃカワイイ。歌すごい。

 そんで、いつも思うんだけど宝塚の娘役のひとたちは何でみんなあんなに可憐なんだ。全員クラリスか(ルパン三世カリオストロの城…)。

 家族を支えてて、華奢で可憐で、でも芯が強くて。詐欺師だとわかっていてなお愛していると言えて、かつ出ていけばもう戻ってこないとわかっていて「行って」と言えるところがすごい。まるでディ〇ニーのヒロインのよう。

 

 六角精児さんが歌が上手いのに驚いた。最初の歌の高音すごくよかった!びっくりした!

 子役の人たちも良かった!みんな軽やかに踊っててすごい。

 森公美子さんはますますキャラクターが立っている。

 小田井涼平さんはすごーく昔に「KABUKU」という舞台を観たことがあって、その時は長台詞で手こずっていらした(間違うことはなかったけれど一生懸命やっています感がすごかった)のに、今回はすごくナチュラルで私は嬉しい…そのまま体を鍛えていただいて、ミュージカルでもっといっぱい観たいです…

 

 土曜日のアンコールは

 全員→ 子役3人と手をつないで坂本さん → 坂本さんお一人

 

 だったのが、

 大千穐楽はその倍くらい出てこられた感じがしました。拍手鳴りやまず。

 全員で何度か出ていらした時、坂本さんが

 森公美子さん(必ずお一人女性の出演者と手をつないでいらっしゃる)と空いたもう一方の手をつないでハケられたのが印象的(これは土日共でした)。

 同じく全員で出ていらした時、主演の方々とは逆方向にハケる小田井さんが、自分のパートナーが自分の方向にいらっしゃらないので「あれ?あら?」と名残惜しそうなのが良かった。その次に全員出ていらした時は、軽くステップをふんでハケられる。良かった。

 そして、大千穐楽のご挨拶。

(前日の土曜日は、子供たちとのありがとうございましただけだった気がします)

1回目は全員集合のとき。

「パンフレットを読んでいただいた方はご存じだと思いますが」と前置きの後で、スウィング、という役割のお二人の紹介が。

「スウィングの方々は、もしものことがあった時、誰とでも入れ替われるように全員のお芝居と歌を覚えておられます。この方々がいらしたからこそ僕たちは安心して舞台に臨めました」

 とねぎらわれました。拍手喝采。すごい。大変な役割。

 

2回目のご挨拶は子役の子たち(6名?かな)と。

「今日はいらしていただき」とウィンスロップ役の子が言うのに続き全員で『ありがとうございました』 と揃える予定が若干うまくいかず(前日の3名のときには上手くいっていた)。笑顔。

 

3回目は坂本さんお一人で。

 大千穐楽まで完走できたこと自体が有難い、緩和はされたけれど今もやはり油断はできない中、関係者たちの並みならぬ努力があって、またみなさん(お客さんたち)の努力があってここまで完走できて有難い

 と話され、私はもう胸が熱い!良かったね良かったね。

 

 そして、

 おうちに帰るまでがTHE MUSIC MAN だからね!気を付けて帰ってね。と。

 

 4回目、ラストは花乃まりあさんと腕を組んで出ていらっしゃる。

 ちょっと花乃さんが焦っていらっしゃる。出るつもりはなかったのかもしれない。

 そして花乃さんがご挨拶。

「坂本さん(両手で隣を示す)は、穏やかで(ここで客席から笑い声)

 えっ、なんで笑うの?

 そのおかげで全体も穏やかで和やかなカンパニーでした。

 本当に感謝してます。ありがとうございました」

 

 ええっと

 多分お客さんたちから「うふふ」っていう笑いがあった理由は2つあると思っていて、一つは

〇 花乃さんの言葉を聞いて、隣にいる坂本さんがご満悦だったこと(言わせた風にも見えたこと)

と、

〇 客席ほぼ全員マリアンのおばあちゃんの立ち位置だったので、

「見に来ていただいてありがとうございました」というようなお客様に向けたご挨拶でなく、何話そう何話そう、ってテンパって、最初に発した言葉が

「(花乃さんから見た)坂本さん情報」だったことが微笑ましくて

 

 だったかと思います。ちなみに私は後者の「うふふ」でした。

 みんなに伝えたかったんだろうなあ。坂本さん情報を。うふふ。

 

 物語の中で

 ハロルドが田舎町に持ち込んだもの。

 それは夢や希望や、未来に続く何か「キラキラしたもの」だった。

 みんなに夢を見せてくれた。

 それこそがきっとハロルドだけが気づいていない、ハロルドの魅力。

 詐欺はダメだけど、良いお話だった。

 面白かった!  

 

 また観たい。