のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

無意識に足りない部分を埋めようとしているんじゃないかな疑惑浮上の2022年2月中旬

f:id:simuramiori:20210723072615p:plain

 久々の三連休だー!と思っていたら仕事が終わらず二連休になって大変無念です。あいかわらずブラックです。ごきげんよう。三連休の一日目、どんよりと残った仕事をしにいったら他部署の人がすでにお二人いらっしゃっていて「フフフ…」と微笑みあうという謎の儀式を交わしました。フフフ…。

 

 というわけで、読みました。オムニバス短編集。

赤と青とエスキース 青山美智子著

 

 この作家さん、どうやら初読みです。面白かった。さらさら読めた。一つの「エスキース」(下絵)にまつわるお話。私は漫画家さんお二人の話が面白かった。そして額装の話は興味深かった。

 以前書いたウイルスの話のときのイラストを見てもらえば一目瞭然だが、私は目で見たものを正確に思い出して何かに写し取るということができない人間だ。「思い出すこと」も「写し取ること」もできるのに、「思い出して写す」が無理なのは多分、間に何か余計なものが介入してしまうのか、または間で何かが欠落してしまうのだろうな、というのはわかる。残念である。

 ただ、私にとっては残念でしかないそれを強力で抜群の魅力にして現実に上乗せたのが芸術だというのもわかる。単純にすごいなあと思う。ナイスセンス☆(語彙)

 

 そういう、私にはできない、そして入り込めない世界を見せてくれるのがアートだったりする。そしてこの美術系小説も然りである。私の強い憧れ。

 そういうものがここにちゃんと流れている感じがして面白かった。

 漫画家さん二人の話は、対照的な二人の漫画家の関係性が良かった。「他者からどう見られているか」をひたすら考えている主人公が一番「自分の本質」をわかっていなくて、だけど後輩がそれを確実に把握してるところが良い。後輩の話から、主人公が丸ごと、後輩自身のことまで把握しちゃうところも良い。いい関係性。そして主人公めちゃイイヤツ。

 

 …あれ、そういえば美術系の本が連続したんじゃないか私。

 そういえば美術館行けてないもんな私。

 

 髙島野十郎の画集を見て心を落ち着けたいと思います。