今年11作目。直木賞候補作。面白かった!
彼方の友へ 伊吹有喜 著
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「友よ、最上のものを。」
佐倉波津子という少女を主人公に、戦中の東京で少女雑誌作りに奔走した人たちの話。
めくるめく展開、不穏になる時代、主人公の周りの個性的で素敵な人々。久々に読み終えるのがもったいないような本だった。というより登場人物が多いのもあって少し読み足りないくらいである。最初の方に出てきた人たちが一体どうなったのか気になる(多分誰も帰っては来なかったのだろうけれど)。
間違いなく面白いけれど、男性に受けるかがちょっとよくわからない。直木賞をとっていないのは多分それだと思う(ちなみにこの時の直木賞受賞作は「銀河鉄道の父」)。
昨今の直木賞は「家族愛」とか「恋愛」とか「テーマが1つで、それがはっきりしているもの」がとっている感じがするので、その点でもちょっとズレるのかなと思う。
ちなみに私が一番今回の作品で良い!と思ったところは
「読者の目を釘付けに」という主筆の指示です。めちゃいい。そんな指示私も受けたい…!
というわけでオススメです!