のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

2022年7月中旬、恐ろしきものは。

 お久しぶりでございます。ごきげんようでございます。私は元気です。

 めまぐるしくいろんなことが起こっていて、ええと結論としていろいろ忙しくしていました。というか忙しくしています。

 後で一つずつ書いていきたいなと思うんだけどまだ忙しくってそれどころではなくなってていろいろいろいろあわあわあわあわ…(←ぽんこつ)。

 いろんな意味で、ちょっと終わりかけているのでもうちょっと待って。

 

 というわけで、書きたいことが山ほどあるんだけれども、忘れそうなことから先に。

17作目と18作目。

 

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倒産続きの彼女 新川帆立 著

 やはり面白い。あっという間に読んでしまった。ぐんぐん読める。

 多分今回の主人公、美馬玉子の方が感情移入しやすいだろう、とも思われるので、この著者の本を読みたい、という人が近くにいたら「元彼の遺言状」よりもこちらを薦めてしまうと思う。

あらすじは、

「ある女性社員が就職した会社を倒産させ続けている」というタレコミが事実かどうかを確かめろと命じられた弁護士二人(主人公と前作主人公、剣持麗子)がその謎に挑む。

「女性」だということで貼られているレッテルと「弁護士」ということで貼られているレッテルの理不尽さが描かれていて、それに抗いつつも御しきれないもやもや感が多分感情移入しやすい。ような気がする。

 気がする、って言っているのは何故かというと、私が、容姿やいでたちや出自や財力やステイタスなど何もかも違っているのに、何故か(どっちかというと)剣持麗子の方と同調している人間だから。なんだろうか舌打ちしたくなるこの気持ちは。

 

 全てではないのだろうけれど、原田マハさんや海堂尊さんや夏川草介さん、瀬尾まいこさんなど、専門業種の方が描かれる、その業種の小説って面白いと思う。

 この本も然り、である。ミステリ好きはぜひ!

 

 そして。

 スモールワールズ 一穂ミチ 著

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 短編集。

 王様のブランチか何かで紹介されたらしい。

 本屋大賞のノミネート作らしい。

 (写真にはないが)帯にも共感度がすごい、五つ星!みたいに書いてあった。

 読んだ。

 

 

 

 ………こっわ。

 

 

 全部が全部じゃないけど、こっわ。

 何が怖いって、この作品が共感度五つ星だってことだ。おいおいおいマジか。特に1作目、この作品に共感してる人がいるのか…!!

 

 以下、私の印象です

 1作目、「ネオンテトラ」中学生の姪を罠にかける叔母(30歳くらい)

 2作目、「魔王の帰還」心に傷を負っている高校生たちを庇護しない社会と世間

   (でもこれが一番話としては好き。姉最強で最高)

 3作目、「ピクニック」無意識下の殺人(野放し)  

 4作目、「花うた」世の理不尽と「ケーキの切れない非行少年たち」

 5作目、「愛を適量」希望か絶望か

 6作目、「式日」これは告解かもしれない。

 

 この本を読んで、私が感じるのは「世にも奇妙な物語」的な恐ろしさである。日常に混じる違和感や悪意や狂気。

 読み終わって、帯を見る。

「やるせなくて、不自由で、思い通りにならないけれど愛おしい私たちの世界。」

 

 まじか。

 まじで言ってんのか。

 この本を読んだ私が感じていることとの、帯とのこの、圧倒的な違和感。

 それがこの本の最も恐ろしいところだと思う。

 

 この本に共感している人がたくさんいる世の中はいやだな。

 

 つくづくそう思った、なかなかインパクトのある短編集でした。

 興味のある方やホラー好きな方はどうぞ。