映画「ラストマイル」を観に行きました。
映画は好きで時折観ていて、最近観たのは
・バービー
・せかいのおきく
・ウィ、シェフ!
・ゴジラ ー1.0
・窓ぎわのトットちゃん
です。ゴジラ-1.0が迫力あるしストーリーも良くまとまっていてわかりやすいので「ゴジラ-1.0どうだった?」って聞かれたら「面白かったよー」と言うけれど、じゃあ上記で一番オススメはどれだと言われたら「ウィ、シェフ!」かもしれない。純粋な良心となす術がない焦りが見えるのがすごく胸に迫るので。
さて。
今回の「ラストマイル」の話もしたい。
同じ日本の中に住んでいるのに、グラデーションのような格差があちこちに描かれていて細やかだ。金銭的な格差だけでなく、正規・非正規、上司と部下、本社と支店、発注主と下請、企業とカスタマー、加害者と被害者、生者と死者。一見しては見えない分断。
誰が勝者とか敗者とかなくて、いびつなシステムの中に組み込まれて抜け出せずにみんなそれぞれ悪い方向へ向かっていく…というノンストップの列車に乗っている感じだった。これはどの立場の人が見てもおそらく苦しい。ブラック企業にいたこともあるし、非正規職員だった時期もそこそこ長いし、今は正社員なので、登場人物のあの人の立場もこの人の立場も何となくわかって、私も苦しい。過重労働は人間からゆとりや余裕を奪い、視野を狭くする。不安や心労は足元を不安定にする。
その「映画における事件よりも構造上の問題性が突出してしまうこと」を沸騰石のように「MIU404」や「アンナチュラル」の登場人物たちが抑え込んでいるなあと思った。
観る方にも覚悟がいる。私たちも現実で、知らぬ間に列車に乗り、知らぬ間にそれは加速している。行き先が違うといつ気づいていつ飛び降りられるか。その勇気はあるか。
私たちもいろんなものを突き付けられている。
ただそんな中でも「そんなもんで死ぬな」というメッセージはしっかり入れてあるのがにくい。
おもしろかった。「MIU404」「アンナチュラル」がわかる人の方がより楽しめると思います。あと、主演の満島ひかりさんの顔が小さすぎて(あと寝顔がかわいすぎて)びっくりした。そして今更だけどすごく引き込まれる演技。あと火野正平さんもやっぱすごいな。なんだろうこの違和感のなさ。あと声が良い。
映画館はかなりの人でした。
良いものを観た。
帰りに、楽〇さんの買い物かごに入れていたにもかかわらず、米津玄師さんの新しいアルバムを買って帰りました。
いろいろと映画の影響を受けている。