のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

シン・ウルトラマンを観る。2022年5月下旬。

ようやく観てきました「シン・ウルトラマン」。

そもそも私はどういう立ち位置の人間かというと、エヴァンゲリオン観ていない・シンゴジラTVで観た・総監修の庵野さんの声が好き。というひとです。最後の全然いらない情報だな。

 今回、特撮好き・映画のフライヤーが面白そうだった、この2つの条件ですでに観に行っていたとは思うが、加えて5月末までの映画チケットを持っていて、これは行かねばなるまいと思った(謎の使命感)。

 ネタバレをしないように語ってみたい。

 

 まず、物語として面白かった。あと過去のウルトラマン作品にすごいリスペクトを感じる作りだった。劇中歌・タイトルの出し方・変身シーン・その他カメラワーク。今のドローンとCG技術があればもっと別のアングルで映し出すことが可能だっただろう部分を丁寧に昔のカメラワークにしているところがある。イイ。あと、妙に人間味のある外星人たち。外星人同士だからと何だか妙に「お前は俺の気持ちわかるだろ?」的な立ち位置のザラブやメフィラス。「変態みたいな真似を…」とか言っちゃうメフィラス。欲望だったり差別意識だったりがはっきり見えるところも。

正直ウルトラマンが一番人間味がない。知能としてははるか人類を凌駕しているはずなのに驚くほどピュアだ。下町の商店街とかで買い物したり幼児と公園で遊んだりしてほしい感がすごい。あと、欲が全然見えないので、商店街の福引(ガラガラ回すやつ)とかけん玉とかに俄然興味持ってくれたりしてるところも見たい。

 脱線した。

 神永さん(斎藤工さん)は、あれだ、その行動でウルトラマンの心を動かしたことがもうすごい。あんなに静かで冷静なウルトラマン(外星人)を…!

 浅見さん(長澤まさみさん)は物語の中では活躍してるんだけどもう少し活躍の映像が流れてくれるとよかったなと思う。観たかった…!(←よくばり)

 あと、神永さんの元同僚(和田さん)がすごい有能。スカウトしたい。

 滝くん(有岡大貴さん)については、もはやこのウルトラマンのもう一つの物語。

 そしてこれは希望の物語だった。ウルトラマンが信じてくれた「希望」を人類は裏切ってはならない、という気持ちになった。

 最近「希望はすごく大事」という話とよくぶつかる。昨年観た映画「ショーシャンクの空に」(何度も見ている)、とか先日読んだ「革命前夜」、今読んでいる「オオルリ流星群」とかも。小さな力でも希望を追うことを諦めてはならない。

 

 そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン

 というフレーズがフライヤーなどで散見されるが、まさしくそれだし、

 私にとっては、そんなにウルトラマンが好きになったのか。という話でもある。

 ウルトラマンのピュアさが煉獄さん(鬼滅の刃)と被るんだー

 というわけで面白かった。TVで放映されたらまた絶対観ちゃう。

 

 蛇足だけど。

 私は、特撮に興味のない人間なんていないと思う。

 体感として、世の中は3通りの人がいて、映画を観る観ないに関わらず「特撮が好き」または「特撮を観たい」という人たちがまずその1の人々である。私はここに属している。大人の方が自分の知識と照らし合わせて「これはアリ」「これはナシ」「はて、この動き、この形状は…」ってなるので俄然楽しいと思う。私はアリもナシもすごい楽しい。

 ちなみに私の周囲の大人には特撮好きが多く、小さいころからずっと好きという人もいれば、大人になってから好きになったという人もいる。私は後者。多分子供の頃も嫌いではなかったのだろうがいかんせんぼんやりした子供だったから記憶がない。ちなみに大人になってから観に行ったウルトラマンの映画は今回が初めてではない。もっというと、特撮関連の展示に行ったのも去年が初めてではない(笑)。胸躍るなあ。

 

 話を戻そう。その2の人々は特撮を笑う人々である。「特撮?そんな子供じみたものが好きなの?」「あんなのどうせ作り物でしょ?」という人々。要するに「特撮を知らない」人々である。

 なので、

「君たちはまだ何も知らないんだね」

 としみじみ思っている。もったいないなと思う。ただ、この人たちは多分私なぞが薦めても自主的には特撮を観ない。自分は大人だから関係ないと思っている。そういう人が自分の幼い子供たちに感化されて特撮を観てハマったりするので、それを長い目で追いかけたいと思う。

 

 3つめは「好き嫌い」の次元でなく、特撮を無視している人である。「いつまでもそんなもの見ていないで勉強しなさい」と叱りとばす、在りし日のお母さんでありお父さんでもある。この人たちは「今、たまたま心に余裕のない人」である。心に余裕があると「特撮いいね」ってなる人たちなので、タイミングを見計らってそっとオススメの特撮を教えたりしたい。

 

「シン・ウルトラマン」私は面白かった。ちゃんと理解できた。

 ところでウルトラマン、頭が小さいのはともかくとして、手が長いな。

 あと、あんなにハイスペックなのに、戦う時はほぼ物理なんだなあとしみじみした。

 ……えっと、いろいろ面白かった。当たり前だけどオススメだ。