のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

私たちはこの数年間、物語のような世界に生きている2023年2月中旬。

新型コロナウイルス(Covid-19)が日本の「日常生活」を崩し始めたのは2020年の2月末だったと記憶している。不穏な足音の中、突然の「学校の閉鎖」と「飲食店の営業自粛要請」が私たちを震撼させた。

 数々の選択も迫られた。ワクチン接種をするか、マスクをどこまでつけておくか。消毒は、会食は、会議は。

 それぞれの立場でそれぞれが奮闘し、明けそうで明けない夜をしのいでいる。夜明けはまだ。

 ウイルスへの不安感も常に負荷としてのしかかっている。

  エッセンシャルワーカーならなおのこと、である。青ざめるような経験も一度や二度ではないし、一度や二度ではなかったろうと思う。

 そんな記録、のような小説。

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 臨床の砦(夏川草介 著)

 

 お医者さんで作家、という二足の草鞋のひとと言えば、

海堂尊知念実希人夏川草介のお三方が思い浮かぶのだが(あとは帚木蓬生とかかな)、この中で最もやさしい感じのお話を書く人だ(神様のカルテ読んだ)。

 その人が(海堂尊さんもだけど)、驚くほどの速さでこの災厄の話を世に出してきた。内容もだが、その切実さや切迫感がすごい。

 まだワクチンが入ってきていない時のことを書いた小説だけれど、緩和されつつある今読む小説じゃないかなあと思いました。皆様、そして皆様の周辺の人々も含めてどうぞどうぞご安全に。

 

 ちなみに私は医療従事者じゃないけれど、エッセンシャルワーカーなので、5類引き下げになった後に起こる様々な「悪いこと」を想定してすでに動き出している。

 同列で並べてしまうのはおこがましいことこの上ないのだが、私も小説の中を生きる彼らと同じように黙々と自分の仕事をこなしながら、夜明けをひたすらに待っている。