ギンモクセイが咲いています。
夜、ダンスレッスンが終わってお腹をすかせて帰ってきたら、ママがキッチンにいて(パパはすでに寝ていた)
「今日は鍋だよ」って言う。テーブルの上にはカセットコンロと1人前用の小さな土鍋。大きな土鍋の中身を私の分だけキープしてくれてたらしい。
返事をしつつ、不審に思う。いつもはキッチンにいないのに、なぜママはキッチンにいて、夜9時に洗い物をしているのだろうか(ママたちの食事は大体夕方6時)。
イヤな予感しかないが、尋ねてみると「うん、さっきまで食べてた」っていう。
食べて飲んでたー!三時間も飲んでたー!パパ寝てるんじゃない、お酒でつぶれてるだけー!
「さては、酔っているね…」
「酔ってないよ!失礼な!」
酔ってるー!酔っ払いは絶対「酔ってない」って言う知ってるー!(偏見)
「ちょっとしか飲んでないよ!」
でたー!チョットシカノンデナイー!すぐ言うー!その嘘酔っ払いがよく言うやつー!
「とりあえず、お風呂入ってからご飯食べるわ…」
入浴後、再度キッチンに戻るとママが小鍋のかかったカセットコンロ(強火)の前の椅子に座っていた(強火)。いつもならこんなこと絶対ない。多分親切のつもりなんだけど恐怖しかない。ママ絶対明日覚えてないやつだ。とりあえず声をかける。
「もういいよ、あとは全部一人でやるから」
私の言葉は完全無視される。そして、
「あれー、この鍋ちょっと傾いているわ直すね」
持ってたタオルを広げて小鍋の上にファサッとかけた(強火です)。
「ひー!もえるもえる!」
「大丈夫よー」鍋の傾きを直すママ。
燃えなかった。多分タオルが若干濡れてた。助かった。速攻火を消す私。
「これはごはんよりうどんが美味しいと思う」
どきどきする私をしり目に冷凍うどんを取り出してくるママ。
「じゃあそれを頂きます」
冷凍うどんイン。再度着火。
「おいしそうだね、ちょっと食べていい?」
「もうだいぶ食べてるでしょ(なんたって3時間は食べてた人)、お腹いっぱいにならない?」
「うん、大丈夫」
って言うので、お椀とお箸を出してあげたらうどんを
私のうどんを半分以上とって食べちゃった…。
「今日のこの出来事を明日ちゃんと覚えていてね…」
「なんかこのうどん、おいしいけどうどんって味じゃないね(全然聞いてない)」
「どんな味?」
なんかねー、普通のうどんは「う・どーん」って感じなんだけど、このうどんは細い。
とママ。日本語なのに全然わからない。
「この鍋はねー、しょうゆ味の鍋の素を買ってきたの」
「おいしいよ」
「しょうゆ味の他にもあと2つ味があってね、ええと」
しょうゆ味と、出汁しょうゆ味
「…それ多分違うよね、しょうゆ味とあと二つは何だったの?」
「うん、しょうゆ味だよ」
ダメだ全然だめだ、そしてめちゃ気になるあと二つの味…!イー!
この後再度聞いても「だからしょうゆ味だって!」と言うばかり。
「うん、もうわかったからそろそろ寝ようか」
「…また酔っ払い扱いして!酔ってないってば」
いいえ、酔っています。
「みかん食べよー」
この脈絡のなさは酔っ払いです。
そしてママは私が食べ終わる頃に私が食事をしてるのを見るのも飽きたのか、寝ました。
翌朝、昨日のことをちゃんと覚えているよ!と言い張るママに、
「さて、昨日の私の夕飯はごはん?うどん?」
と聞いてみたらしばらく考えた後「ごはん」って答えました。違いますけども。
お腹いっぱいなので朝ごはんを抜く、と言ったママに
「私のうどんを食べていたよ」と教えたら驚いていました。
これは、と思ったので
「あなたが昨日最後に食べたものは何でしょう」と聞いたら「うどん」って答えました。正解は「みかん」です。
秋の怖い話でした。深酒は体を壊します。食べ物が美味しい季節ですが、お酒はほどほどに…。