ちょっとよくわからなかったけれども、乗りかかった舟だなと思ったのでこっちも読んでみた。映画…かマンガ…の小説版??
「サマーゴースト」 原案 loundraw 小説 乙一
|
死にたいと思っている高校3年生の主人公と、理由は違えど同じように「死にたい」と思っている高校生男女、その3人と「夏だけ現れる幽霊」である「サマーゴースト」の女の子の、ひと夏のお話。
結末まで言っちゃうと死ぬし生きる(雑だって言われますええ言われますとも)。
わかるんだ。主人公の気持ちも周りの人たちの気持ちや行動もわかるんだ、わかるうえで言う。
テーマが同じだからなのか文章を書いたのが同じ人だからなのかちょっとよくわからないけれども「一ノ瀬ユウナが浮いている」と良いところも悪いところもなんだか似ていた。
いいところは「主人公がいいやつ」なところだ。あと友人たちもいい。
悪いところは人がないがしろにされているところだ。蔑ろ、というか書き手の気持ちの面において、登場人物にあまり関心がないのではないか、と思ってしまうような文章だったところだ。数少ない登場人物たち、なのに大事にされてない気がする。映画が先だからかな。
私がキライな小説のパターンに
いい人は何やっても「いい人」で、悪い人は何やっても「悪い人」
というのがあるが、それに近い感じがする。
私は感情移入できるかできないかはともかくとして、主人公やその周辺の人たちと同じ立場に立って、言葉を換えるならば「寄り添って」、一喜一憂していたいのだ。そのためには、プロフィールみたいな登場人物像などは役に立たないんだ。温度や質量が欲しい。この子は何が好きで何がイヤで、とかこの人は何故こんなこと言ってこんな行動をとっているのか、という奥行きが欲しいのだ。ん?私はどこかで見落としているのか?んん?
乙一、おまえ、おまえこんなやつじゃなかったろ?!
って胸倉掴みたくなる(「お前にオレの何がわかるっていうんだ」って言われるパターンだけどもな)(これ前回も言ったな)
まじで次回期待してるからな!ゼッタイだぞ!忘れんなよー!(←厄介さん)