のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

あの本のその後の話、2021年3月末。

 先日、久々に某地質学の先生に遭遇。
 最近お忙しくしていらして、なかなか会う機会がないなあとテレビを見ながらぼんやり思っていたら画面越しに出てきて、突然のことに理解が追い付かなくてフリーズした。それは番組予告だったので、翌週に楽しく拝見した。

 というわけで、全国放送の某人気番組で地形の解説をなさっていた。通りでお忙しいはずだな。ちなみに全国放送(N〇K)に出た感想をうかがったら、
「あのねえ……すごく疲れたのよ精神的に」

 と仰っていた。うん…なんか、わかる。気がする。出番が終わったのでのびのびしていらした。よかったよかった。

 

「それでね、読んだよー面白かったよー」

 

 それです!聞きたかったの!これです!

 

「月まで3キロ!(伊与原新 著)どうでした?私はですねーどの作品にも、あの著者の方の、研究対象に対して愛情が溢れている感じがいいなと思うんですよねー」

 

 人に感想を求めているのに自分の感想を熱く語る私。あつくるしい。
 それを穏やかにうんうんと聞き流すせんせい(いろんな意味でプロフェッショナル)。

「僕が久々に小説を読んでいるもんだから、妻が興味を示してね、今妻が読んでるよ」

「おお、それは良いことをなさいました!」(←超失礼なうえに奇天烈な返し。ひどい)

 この後、石を割って化石を探す話とかいろいろしたのですが、

「僕は最後のお話がいいなと思いました」

 ということでした。『山を刻む』です。嫁いで30年、私は一体何だったのか、と思っている女性が主人公。私は、最後がオーソドックスでよくあるパターンの終わり方をしなかったため、あれは超すかっとした!(ネタバレはしない)んだけども、せんせいの「ヨイ」はそこではなく、

「あの最後の話に出てくる先生と生徒の関係性がすごくイイよねぇ…!ああいうのあるけども、なかなかないよねぇ…!」

 でした。なるほど。

 

 毎年の共通テストの結果を見ていただくとわかるが、「地学」の受験者は他と比べて圧倒的に少ない。それは履修する生徒が少ないというのもあろうが、まずは「地学」が履修できない高校がすごーく多いためである。なぜ履修できないかというと、まあいろいろ理由はあるだろうが、そもそも地学の高校教員というのがものすごーく少ない。まず採用がない。高校で教わらなければ、地学に興味を持つ人も圧倒的に少なくって(もちろんいないわけではないけども)、「地学を研究対象とする」ということが人生の選択肢として考えることさえしてもらえなくって、もー悪循環。

 こんなに地震の多い国だというのに、置き去りにされた学問感が否めない。ひどい。

 

 せんせいー…!!

「せんせい、この本を『地学』への取っ掛かりとして学生に勧めるといいですよ!あっ、高校生あたりに!私が高校生だったら、面白い、研究したい!って思うなあ!」

 って言ったら、
「しむらさん(私だ)、僕の知ってる一番若い子たちはもうみんな大学生だよ…」

 って言われたので、仕方がないからここで宣伝宣伝。

 

 地学おもしろいよー!地学のせんせいたちみんな「ちょっと前」って「5000万年前」くらいだと思ってるよー!山のぼるの超速いよー多分平地より早いよー追いつけないよー!山菜に超詳しいよー!火サス(死語)の犯人並みに崖大好きだよー!熊も怖いけど鹿も怖いっていうよー!

 

 ……高校生釣れるかな(むり)。