今週のお題「お気に入りのTシャツ」
私には妹がいる。たまにス●イプで連絡を取るのだが、その彼女がいつ見ても同じTシャツを着ている。温度とかで色が変わるとかでなければ(どんなTシャツ)、色違いで何着も持っていて、とっかえひっかえしてはスカイ●に登場しまくっている。
いや、それがお気に入りのTシャツなのであれば「かわいいね」とかそのくらい言うんだ私だって。ただどうも…どう見てもお気に入りっぽくはない。彼女の趣味にも合わない。そしてかわいくも…失礼ながらない。かといって妹がちょっとびんぼうでTシャツ買えないとかそういうことでもないのは知っている。
なんか、どんなTシャツかというとだ、黄色とかピンクとか赤とか青とかそこそこハッキリした色1色、胸元にワンポイント。
それが、太極拳のマーク(陰陽のマーク?)。でも妹太極拳やってない。
そして目算だが、妹は1年中このTシャツを着ている。さっきネットで検索してみたが全然同じものがヒットしないので画像も貼れない。
というわけで遠慮なく聞いてみた。
「そのTシャツなに?」
「太極拳のTシャツ」
それは見たらわかる。
「なぜいつも太極拳のTシャツを着ていて、なんでそんなに色違いで持ってる?」
「色違いで何枚かもらって、あと丈夫だから。うちのものすごい乱暴な洗濯機で洗っても全然伸びない!」
私がききたいのはそこじゃないんだけど。そしてちょっと今、乱暴な洗濯機も気になり始めたんだけど。
「くわしく」
なんでも、趣味で太極拳をやっている年配のご婦人からいただいたらしい。その界隈では有名な太極拳の大会があるとのことで、それに出場すると参加賞のように毎回Tシャツをもらえるらしく、でも着ないからってことでいただいたとのこと。
ところで「太極拳の大会」とやらが全然イメージできない。長年生きていても想像できないことってあるんだな。
ただ妹は気に入っているわけでもないけれど毎日のように色違いでそのTシャツを着て外にも出かけるという。
「あんた多分今ご近所でのあだ名は『師匠』とかだよきっと」
と言ったら笑われた。
「いや笑いごとじゃないかもよ、Tシャツくれた人は毎年のようにその『大会』に出てるんでしょ?ということはものすごく強いとかかもよ!」
「あっ、それは私も思ってた!」
「…妹よ、もしかするとだ、そのTシャツ、柔道の黒帯みたいに『強さ』によってもらえるTシャツの色が変わるんじゃない?」
「えっ!そんな…いや…でも…もしかしたらそうかも、太極拳って風水とか大事にしそうだもんね!」
「強さでTシャツの色が変わるとしたら、そのことを知っている人が世間には少なからずいて、Tシャツ着て出かけていたら『ああっ、あの人は黄色Tシャツを着ている!し、師匠!』ってならない?」
「今のところなってない!」
まあ冗談で言ってみたものの、そして妹も冗談と知りつつも、それでも一抹の不安がよぎったらしく、その後太極拳のご婦人に聞いてみたらしい。
結論。
「『そんなことあるわけないじゃないのよーそして私強くもないわよー』って笑われたー」
だそうな。
でもさ、10年以上太極拳やってたら強そうだよねー。謙虚なひとだから嘘かもー、とも言っていたので、もしかすると今後妹が「師匠」と間違われる日がくるかもしれない。