のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きといってるだけ。過去の観劇日記もこちらに置いてます。科学系の話も少しだけ。

2010年、3月。「血は立ったまま眠っている」を観る。ちなみに私の中の蜷川幸雄はこれだ。

 というわけで、おしごとそっちのけでおおさかへ。

 午前中で職場を飛び出し飛行機に乗る。
 お城の駅であやさんと待ち合わせ(→ホントはウメダで合流するはずだったが全然見つけられなかったため・・・)
 ホテルを大満喫。お部屋も広々。はじめてじょじょえんに行った(ホテル内にある)。これはやきにくやではない。という雰囲気だねあれね。酒がフルーツ生絞りでうまかった。ドレスアップしたおねえちゃんがハープ弾いてた。やきにくやかなこれ?

 翌日はたらふく朝ごはん。その後お城の梅を見に行き、エステ。
 後ろ髪引かれる思いでホテルをチェックアウト。はじめての猫カフェ。猫がうろうろしていた。そのうちの二匹に噛まれ一匹に噛まれそうになる。わ、わたしなんにも嫌がることしてないのに…!
 多分何かものすごい負のオーラが出ているにちがいない。

 その後お買い物して、劇場へ。

 舞台観てきました。ニナガワユキオ演出。テラヤマシュウジ脚本。主演はモリタゴー…のよーなクボヅカヨースケのよーな。うーんうーん。舞台感想はまた後ほど。

 翌日、ママのおやつを買って(ほーらいけんの豚まんをご所望だったため)帰宅。帰宅の前にポンペイ展も観てきた。
 フレスコ画と噴水の彫刻がすごい。何千年も前のものが今こんなにくっきりとこの場にあることがすごい。
 あと子連れのご一行さま(しかもオコサマたちは赤ちゃん~小学4年くらいまでの)がすごい多いのが気になってしょーがなかった。ええと多分こどもたちは面白くないんじゃないかな、と。

 とりあえずは無事帰宅。
 以下、翌日に書いた舞台の感想です。

 

 

 というわけで。「血は立ったまま眠っている」を観てきました。


 事前に脚本を読んでから観たのはよかったかもしれないと思いました。それほどわかりにくい。というかわからん。そもそも昭和35年に書かれた現代劇を今舞台化した意味からわからん(そこからか)。
 せりふはやたらと詩的だし(そのせいか小さくトチる人が多かった気がする)、場面はくるくる変わるし、細かいつじつまは合わないし、メッセージ色は強いし。
 ただ、抑揚や身振りが入るので脚本を読んだ時よりも舞台の方がうんとわかりやすかったのは確か。タイトルの意味もなんだかわかったよーなわからないよーな(どっちだ)。
 ただ、一回観たら私はもうおなかいっぱいだった…。なんだろう、あの錆びた剃刀感。
 
 さて以下はネタバレ。
 寺山脚本がほぼそのままそっくり舞台になっていました。後で見返してみたらほとんどどっこも変わっとらん。超リスペクト。あのうそんなにリスペクトしなくてよかったよニナガワサン。と思う。
 しかしながら冒頭、せりふゼロのままメインキャストも出ないまま時代背景を全部表現しきったのはさすがというべきか。
 役者としては六平さんがダントツですごかったと思う。怪演。怪しい感じのキャラを保ちつつセリフもくっきりしっかり自分のものになっているかんじ。さすが。
 張さん役のひと(遠藤ミチロウさん)、歌うまい。
 ペギー役の人(蘭妖子さん)も上手いなあと思った。
 君子役のひとは、もう演技云々よりもその体型の方が気になって気になって仕方ない。やせすぎです。病院に行った方がいいと少なくとも観客席にいた理系人間二人してそう思う。あと声がほしのあきに激似だと思う。
 葉っぱ役のひとは声がすごく聞こえなくて困る。うーん、よく見かける人なんだけどなあ。舞台出身のはずなんだけどなあ。私は耳があまり良くないので仕方ないっちゃ仕方ないのだけども。
その他の(記者さんと町の人?以外)は総じてざっくりした感じ。舞台にそう慣れていない感じがしました。うーん、なんだろう、若い?のかな?
 主要メンバーではクボヅカさんがまさしくそんな感じで、舞台初めてなのかなーと思ったらそうだった。パンフで確認。意外。
 でも舞台慣れしたらすごく舞台映えする人だなと思う。演技自体は上手いと思うんだー。
 ただ舞台に不慣れなのと、きっと脚本見て私とかと同様「意味わからん」と思ったクチに違いない。せりふと本人の間にわずかな隙間がある感じがした。役と本人の間にちょっとした隙間がある風に見えたけど、役柄が「大口叩いてるけどたいしたことできない若者」という設定なので、あれはあれであのグラグラ感を演じていたのかもしれないとも思う。
 テラシマさんに「あなたは猿なの人なの?(私の目にうつってるあなた自身は)どっちに見える?」と迫られて、ぐらぐらしながら

「よく見えなかった」

 とつぶやくところはすごい良かったと思う。きらりと光るね彼ね。
 あと、ラスト。これ以上自分の弟分で、恋人の実弟である彼に負の遺産を残すまいという決意が見えて、ようやく今までのグラグラ感がちょっと取れるとこもよかった。ようやくきちんと立っている感じというか。うん。
 
 そしてテラシマさん。熊ゲットおめでとうございます。
 さすが、熊ゲットは伊達じゃない。と、ここまで書いといて自分何様だと思いますが、ど素人の戯れ言だと思ってください。
 もーあの詩みたいなセリフを自分のものにするだけでも相当だと思うんだー。しかもわけわからんのに。
 ただ、所々に違和感漂うのは「可憐で清純な18歳の少女」と、私たちが知っている「女優 てらしましのぶ」の間に浅からぬ溝があるせいかと思われる。
 あと、同じ女性ながらこの夏美って少女にどうしても違和感が漂うせいもあると思う。
 こんな女いるの?という感じなんだなー。昭和35年にはいたのかもしれません。

 ほんで、良。
大人はみんな汚くて狡い、と思ってそうな、盗んだバイクで走り出しそうな、そんな純真無垢な17歳。
 えーと、多分贔屓目が入ると思うのであんまり書くのもどーかと思うのですが、まず驚くことには舞台の演技も上手いなあということだったり。
かっこいいとか(決してかっこいい役ではないが)、かわいいとかではなく、演じ手として彼はとても優れている、と思った。すごい。
詩のよーなセリフが長々と続くのをきちんと自分のものにしていたのがすごい。いろいろと全然報われない、しかも17歳特有のナイーブな役なんだけど、それが子どものヒステリーみたいにならなかったところもすごい。脚本だと青臭い子どものヒステリーみたいだったのに。
あと、一人ぼっちがうまい。というか一人ぼっちを演じさせたら日本一なんじゃないかと思う。
なんだろう、私は大勢でいても一人でいてもたまに彼がかもし出すあの一人ぼっちな感じがだいすきですよ。どうしようねこれね。ファンだね。
 というわけで、あれです、総括としては次回はもう少し意味のわかりやすい、ハッピーエンドな舞台をひとつお願いしたい。ぜひよろしく。念念。