のらりくらり日記

世の中のいろんなことにひっかかりつつ流される備忘録。好きなものを好きというだけの日記です。過去の観劇日記などもこちらに置いとく予定です。

2011年2月、まずは宮本亜門さん。金閣寺。

 ご無沙汰しています。
 あんまり無事でなかった仕事(満身創痍)の途中で東京へ行ってきました。めいちゃんに会い(かわゆいかわゆい)、ケーキを食べ、気になっていたものを買い、ミュージカル(ぞろ)を見た旅でした(何が何やら)。

 詳しい感想はまた後日。

 ほんで昨日も舞台を。金閣寺みしまゆきお。
 ピュアすぎて人間の人間くささみたいなもの(大体の大人が「そういうこともある」と割り切っている人間の悪い、汚い部分)
 を、
 自分の感情であれ他者の感情であれ、みんなが理解していてしかもそれを許していることが理解できず(伝われー)
 また、自分のその悪の部分(そして悪い行いに少しの愉悦を感じている自分)を許せず葛藤する純粋な少年(青年)のお話だった。と理解した。
 自分の中の完璧なもの(金閣寺)を完璧な状態に高めることで昇華させたんだろうなと思いました。
 まー事実だけを言っちゃうと金閣を燃やして灰にしただけなんだけど。


 そこに行き着くまでの葛藤がなんだかかわいそうなくらいで、ええとドンマイ。みたいな。
 いろんな意味で三島チックだったなあ(偏見かな)。
 そしてあの舞台構成とか映像使った手法とか小道具を別のものに見立てる、とかはおそらく宮本亜門チックなんだろうなあと思いました。

 えーとえーと主人公が純粋であればあるほど可哀想だった。
 誰かがきちんと彼を叱って(あるいは諭して)おくべきだったと、もしくは向き合ってきちんと彼の気持ちを聞く大人が必要だったと思いました。
 まあそれで誰か救われるか、溝口(主人公)が納得するかはまた別の話なんだけども。
 うーんうーん。
 ホーメイ歌手のひとの声が普通に喋っていてもとても美しかったと思います。

 すごく良いものを観たと思うのだけど、話自体がただひたすらひたすら暗いのでどんよりどんより。
 

 それと、ちょっと一言だけネタバレ。


 最後に
「いきよう」
とぽろっと呟いて、舞台を降り客席に力を抜いて座るさまはベタだと思うけどよかった。  

 というわけで他のいろいろはこの後。
 
 さて、別日に書いた続編です。

 2月21日にゾロザミュージカルを、
 2月26日に金閣寺を見てきました。少しですが感想を。ゾロの方はまた次回。

 ゾロは5列目(多分)、金閣寺は4列目。金閣寺を共にしたあやさんに
「このチケット運を今度は是非ライブで見せてもらいたい…」とイヤミを言われました…エエ…ワタシも是非そうしたいところなのですけどもね…。

 金閣寺
 ニューヨークだかなんだかに招聘されたそうですね。自分のことのように喜んでいますしむらやですごきげんよう

 お話としては、吃音というコンプレックスを持つ主人公溝口くんが金閣寺で修行しつつ学生として学校に通いつつ戦争も乗り越えつつ友人その①その②と出会い別れつついろんな葛藤の末に金閣寺を燃やしたらさぞキレイかろうと燃やしてしまうお話
 なのですが。自分で言うのも何だが乱暴な説明だな…。


 以下ネタバレですのでご注意。 
 まず舞台美術的にシンプル。学校の教室が寺社となり庭となり列車となり金閣寺となり。
 映像や音、色のついた光やまばゆい蛍光灯と演技とでいろいろ変化を見せている。ダンスや音でも心情を表していてそういうところが宮本チックなのだろうかと思いました。
 開幕も合図なし。いきなり小説原文の朗読。
 幕間も閉幕も全く合図なしの舞台は初めてで正直戸惑いました。でもまあそういうものなのかしらん。

 金閣寺
 副題は「主人公溝口くんの受難の日々」な気がしました。
もしくは「ドンマイ溝口くん」

苦難その1:吃音のためか性格か、自分の思いをうまく言葉にできない。
 多分言いたいこととか、ここでこう言えたら、ということがたくさんあったと思うんだー。だけどそれを口にできないことがジレンマというかコンプレックスを増大させる結果になったのだろうかなと。吃音だけでなく性格もあるんだろうけど、繊細なんだな溝口くんは。

苦難その2:ずっと女難の相。
 まー出てくる女性が個性的というか何というか。溝口くんにはずっと女難の相が出ている。ワタシに「三島チック」だと思わせるのは多分こういうところだ。
(1)ご近所のキレイなおねえさん
 ちょっと声をかけたかっただけの溝口くん→思い切り不審者扱い→村中に不審者として言いふらされ恨む溝口くん→そんな溝口くんの眼の前で追い詰められた恋人(脱走兵)に銃殺されるお姉さん

 …まあまずこれがかなり後々まで響いてくるんだな。

(2)父の兄と浮気してるお母さん
(3)自暴自棄で奔放なおねえさんたち
 
苦難その3:金閣寺大好きな父親
 パパがすごい金閣寺好きな人で金閣寺大絶賛。それが何やかやで溝口くんの中では
 絶対の戒律=金閣寺 みたいになっちゃう。自分の中の絶対というか神域。それを壊す話なんだよねこれって。
 盗んだバイクで走り出すみたいな。校舎の窓ガラス壊して回るみたいな。(ばいおざき)何にも縛られたくないんだよね(もういい)

苦難その4:和尚
 金閣寺の和尚はまあ別に普通の人間なんだけど、溝口くんにとっては特別の神聖な人、崇拝するに値する人間であるべきだったのに裏の部分を知ってしまって苦悩。神聖な人として生きる=悪を排除して生きる のは不可能?みたいな。うーんピュアだな溝口くん。

苦難その5:友人の鶴川くん(だいとーしゅんすけさん)と柏木くん(たかおかそーすけさん)
 ワタシ原作読んだはずなのにほっとんど覚えていなくてですね(多分よーわからんと思ったと思うのだけど)、舞台の印象のみで言うのですけどもね、
 鶴川くん、びっくりするくらいサワヤカ好青年だけど、溝口くんのこと大好きに見えてしょーがない。
 なんだろう、ワタシがゴーファンだからかな。
 だってシロツメクサ…!!シロツメクサを主人公の胸ポケットに挿すか?いや挿さん!!女子同士だってしないぞ多分!
 なんだかいろいろ思わせぶり。禁断の恋の末に自殺した、というくだりも思わせぶりすぎる。
 でも鶴川くんとじゃれてる時に見せる溝口くんの無防備全開笑顔にきゅんきゅんしました。ありがとう鶴川君。

 柏木くん
 ものすごい屈折していて、本当は溝口くんよりもコンプレックスがひどいように感じました。世の中の誰も信じないみたいな。
 溝口くんよりも彼のほうが自分と溝口君をその障害と共に重ね合わせて見ていて、溝口くんの純粋さに苛立ちを覚えていたように見えました。
 だからこその鶴川くんからの手紙のくだりかと。愛憎は表裏一体だなあ。
 あっ、ちょっと待てそうするとやっぱり柏木君、君も溝口くんのことが好きだな?!わたしもすきだ!!!(もりたごーが)

  
 まあそんなこんなでいろいろ追い詰められたり絶望したりした末に金閣寺なる絶対的なものを最も美しい形で昇華させてしまう溝口くん。
 安寧は得られたかな。どうかな。生きられるようになったかな。
 このちっぽけで薄汚れた、すばらしき世界で。